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医協西日本主催、東大阪初級で食習慣の重要性教える保健教育

2012年12月07日 09:24 民族教育

健やかな心身築くために

管理栄養士の姜聖心さん(24、共和病院勤務、写真右)と姜貴順さん(24、京都女子大学栄養クリニック、栄養教諭一種免許保持、写真左)が講師となった。

在日本朝鮮人医学協会西日本本部(医協西日本)では、関西地方の各朝鮮学校と連携して定期的な保健教育授業を行っている。各分野の同胞専門家を講師として派遣し、様々な内容の特別授業を実施している。1998年、兵庫県下ウリハッキョでの性教育を皮切りに、2001年には薬剤師による禁煙・薬物乱用防止教育が始められ、2007年以降は大阪、京都、名古屋への朝鮮学校へと拡大した。

医協西日本の金喜連総務部長(39)は、「本来、保健教育は子どもたちの健やかな成長において、大きな役割を果たすもので必要なもの」とその重要性を強調する。

自分の1日の食事内容を色分けする作業。

11月28日には、医協西日本主催のもと、東大阪朝鮮初級学校の初級部5年生を対象とした「食育に関する授業」が行われた。西日本の朝鮮学校で「食育」をテーマとした、専門的な授業が行われるのは今回が始初めて。

管理栄養士の姜聖心さん(24、共和病院勤務)と姜貴順さん(24、京都女子大学栄養クリニック、栄養教諭一種免許保持)が講師となり、約1時間にわたって望ましい食生活について教えた。

授業では、「栄養バランスのよい食事を考えよう」というテーマで、食べ物の働きや各食材のもつ栄養素などがわかりやすく説明された。

互いに前日の食べた食事の内容について、「これは何色になるんだろう?」と質問し合う児童たち。

生活と密接に関連した話に、児童たちも興味深々の様子。「子どもたち自身の考える力が育つように」との思いから、質問を投げかける形式で授業が進められた。

児童たちにとくに好評だったのが、自分の1日の食事内容を色分けする作業だ。これは、三色食品群と呼ばれる栄養素の働きに基づいた食品の分類法を用いており、自身が日常で摂取している栄養のバランスを一目で確認できる仕組みとなっている。児童たちは、「肉は赤、ごはんは黄色、ほうれんそうは緑」など、前日に食べた食品を色分けし、「黄色が多い」「赤がぜんぜんない」「いろんな色がある」などと話していた。

「ミョンテは何色になりますか?」「ごま油は?」「キムチは?」など、同胞の食生活が垣間見える食材の名前が挙がり、関係者の笑いを誘う一幕もあった。

生活と密接に関連した話に、児童たちも興味深。

最後に、朝昼晩と3食きっちり食べること、早寝早起きの習慣をつけること、食事前におやつを食べ過ぎないことなどが強調された。

児童たちは、「わかりやすくて楽しかった」「ごはんの栄養バランスがよくわかった」「朝ごはんはちゃんと食べなければならないと思った」などの感想を述べた。

日本の学校でも同様の授業を行ったことがあるという姜貴順さんは、「日本学校では専門家の指導のもとに栄養バランスのよい給食が提供されるが、ウリハッキョの児童の食生活は全て各家庭に委ねられる。もし、バランスに偏りがあっても、気づきにくい場合があると思う」と指摘しながら、「食習慣は、幼少期に形成される。この時期に望ましい習慣を身につけるかどうかで心身の発達や人間形成、生涯の健康にまで影響が及ぶ。今後も、出来る限り力を入れて取り組んでいきたい」と話した。

姜聖心さんと姜貴順さんは太成学院大学看護学部准教授の文鐘聲さん(36)とともに6月から月に1度、保護者や教員らが食生活について正しく理解するよう、「食育だより」を作成、配布している。そのために現状把握のための現場アンケートも行った。

医協西日本では今後、既存の保健授業のほかに、こうした「食育」関連の授業を各朝鮮学校に取り入れていきたいとしている。

(周未來)

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