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〈閑話休題〉他者を思う、風雪の歳月――女性同盟結成65周年に思う

女性同盟結成65周年の集いには、日本各地から色とりどりのチマ・チョゴリを纏った女性たち800余人が参加した。会場を見渡すとまるで満開の花畑にいるような美しさに圧倒された。

とりわけ、高齢のハルモニたちの誇らしさ、輝くような笑顔に心を打たれた。彼女たちの歩みは、一言でいうと生きるためのたたかいの歴史であった。植民地時代の民族差別や封建的な桎梏を跳ね除け、解放後の次から次へと押し寄せる弾圧の嵐を潜り抜けた日々。そして、帰国事業では愛する肉親とも離れ離れに。祖国往来の権利や民族学校を守る闘い、祖国統一を希求する闘いは休みなく続けられ、その苦闘の歳月を支えてきた女性たち。計り知れない苦楽を超えて集った女性たちの幸福感あふれる姿が、あの美しい民族服に凝縮されていると思えた。

今、「自我」と「個」が強調される世の中だ。しかし、人間の本当の美しさや力とはなんだろうかと考えさせられた。生涯を自我と格闘し続けてきた作家・瀬戸内寂聴さんはこう語っている。「大切なのは、他者の痛みや悲しみ、苦しみを自分のものとして感じられる力よね。…自分さえ良ければ、という人がふえているけれど『私』の内実は、人と人との関係の中で作っていくしかないのよ」と。

まさしく、65年間、他者を思いやり、黙々と人と人とを繋げてきた歩み。闘いぬいた女性同盟の風雪の歳月を美しく彩っている。(粉)