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〈取材ノート〉400人の大合奏

椅子を取り除き、譜面台だけを置くにしても床がほぼ見えないほど生徒たちでびっしり埋まった舞台。在日朝鮮学生中央芸術コンクールの洋楽器部門に参加するため、日本各地から集まった中高級部の生徒たち約400人。

取材ノート同部門では毎年、コンクールが終わった後に、出演したすべての生徒たちが共に舞台にあがって合奏曲を演奏したり、各校の部長らが発言したりする形で交流の場を設けている。審査が終わったあとの生徒たちの演奏、表情はとてもリラックスしている。曲と曲の合間に隣の子と喋ったり、発言者の言葉に笑いが起こるなど、コンクールとはまた違った和やかな空気が流れていた。そして、400人というダイナミックな音響はなんといっても圧巻だ。

ある生徒は、「吹奏楽を楽しんでいる人たちがこんなにいるんだと改めて実感した。大人数での合奏は最高」と話していた。

しかし、05年からはじまったこの大合奏だが、ほんの数年前までは高級部だけで舞台がパンパンに埋まったという。

今年のプログラムを見ても、近年合奏で出演する学校数が年々減っているようだ。これは明らかに生徒数減少と結びついている。洋楽器部門に限らず、他の3部門にも共通していえることだ。

ある吹奏楽部の指導教員は舞台に立ち、「各地のウリハッキョの生徒たちが一つの舞台で一緒に演奏するということはとても貴重なこと」と生徒たちに語りかけた。

数年後、数十年後でもいい。舞台も客席も生徒で溢れる大合奏をいつか聴いてみたいと思った。(梨)