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自分自身の声を届けよう

2012年11月12日 22:50 春・夏・秋・冬

田中真紀子文部科学相は10月2日、閣議後の記者会見で、朝鮮学校への「高校無償化」適用審査について「そろそろ政治的判断をする時期に来ている」と述べた。制度実施から2年7カ月、審査再開から1年2カ月、いまだ結論が先送りされているなか、衆院文部科学委員長時代に東京朝鮮中高級学校を視察し、朝高生や保護者の意見を直接聞いたことがある大臣の発言は好意的に受け取られた

▼一方、メディアの関心は3大学の新年度新設問題に向けられた。文科省内の審議会が設置を認めていた判断を覆した大臣は、衆院文部科学委員会に促されるようにして5日後に発言を全面撤回。混乱を招いたことを謝罪した。「無償化」問題と比べ、対応の速さが腑に落ちない

▼文科省は審査と称して、朝鮮学校や民族教育を中傷するだけの記事と、それを鵜呑みにする国会議員の質疑の真偽を逐一調べている。政府が判断を先送りしている以上、審査遅延の「理由作り」をせざるをえないのだ。適用の要請に行った人たちが文科省職員と押し問答になるのも無理はない

▼朝高卒業生たちは、首相官邸に適用を求めるメッセージカードを送っている。一言一句、自身の声を届けている。「すべての意志ある者が安心して勉学に打ちこみ、自らの無限の可能性を開花させることのできる社会をつくる」。朝鮮学校への「無償化」適用が日本社会を豊かにすることを正々堂々と伝えよう。(天)

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