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中大阪初中創立65周年記念祝祭、愛校運動拡充の「第一歩」

2012年11月05日 11:26 暮らし・活動

中大阪朝鮮初中級学校創立65周年記念祝祭(主催=同実行委員会)が28日、同校で行われ、同校の在学生、卒業生や東成地域に住む同胞ら約500人が集い、学校創立記念日を祝った。

これからも中大阪初中を愛し、母校の歴史を輝かせていくと決意した在学生

同胞と地域に支えられ65年

記念式典の1部では記念報告が行われた。

報告では総聯大阪府本部の玄鉄男副委員長、記念祝祭実行委員会の呉相哲委員長、同校の金哲校長と、来ひんを代表して「中大阪朝鮮初中級学校と共に歩む会」の平安名常徳共同代表があいさつした。

玄鉄男副委員長は、同校の65周年の歴史には民族教育を創設した1世同胞をはじめ、その歴史をつないできた2,3世の地域同胞らの深い愛情と情熱が込められているとしながら、それに敬意を表した。そして同校がこれまでの歴史を歩んでこられたのも、「共に歩む会」をはじめ、広範な日本人士たちの力添えがあったからだとして、集った日本市民らに謝意を表するとともに、これからも同校が地域同胞社会の拠点として発展するよう願っていると述べた。

大阪朝鮮歌舞団による公演

「共に歩む会」の平安名常徳共同代表は、在日同胞が、祖国の歴史と文化を誇りとする民族教育の継承のために朝鮮学校を建て、こうして65周年の記念式典を迎えることが出来たことについて祝いの言葉を送った。また、「民族教育を守る状況は依然厳しいものがあるが、恣意的な政治的思惑によって子どもの学ぶ権利を侵害し、差別を助長することが決してあってはならない。私たち『歩む会』では、子どもたちの教育権、学習権を守り保障させ、ウリハッキョへの支持と権利の拡充を計ることを目的に、今後も中大阪初中と共に闘い、歩んでいきたいと思う」と述べた。

報告の後、同校児童・園児たちが記念公演を行った。児童らは力強い歌と朝鮮舞踊を披露しながら、これからの同校の歴史を「自分たちが輝かしいものにしていく」と決意を表した。

卒業生が団結、70周年を輝かしいものに

2部の宴会では1期からの卒業生や歴代の校長たち、日本の市民らが、特設ステージに上がり同校の65周年を祝うとともにそれぞれの思いを語った。また、特設ステージでは、卒業生たちで構成されるブラスバンドや大阪朝鮮歌舞団による公演も行われ、会場は同胞たちの笑顔に包まれた。

同校が創立から今日まで社会に送り出した5500余人のかつての生徒の中には、現在有資格者となり在日同胞社会発展のために活動している卒業生もいる。

今年、新司法試験に合格した金星姫さん(27)は壇上で弁護士を目指したきっかけについて触れ、自らの決意を語った。

「高級部2年の時に『拉致問題』がとりざたされ、同胞社会に対する風あたりが強くなった。不安定な法的地位にある同胞たちの暮らしを良くしたくて弁護士を目指すようになった。在日同胞の尊厳と自主権を守るたたかいに、早く自分も合流したい」

民族の伝統文化を広げるため活動している卒業生もいる。現在、大阪朝鮮歌舞団で舞踊手として活動する白佳実さん(26)だ。この日も、大阪朝鮮歌舞団の一員としてステージに上がり独舞を披露した白さんは、「中大阪初中60周年の記念行事や納涼祭など、これまでも母校で公演したことがあるが、今日再び、愛する母校で踊ることができて幸せだった。中大阪初中で幼稚園から母国のことばと文字を習い、民族性を養えたからこそ、今の自分がいる。そうした感謝の気持ちを込めて舞台に上がった。これからも私たちの歌や踊りを通じて、同胞社会を民族性豊かな社会にしていきたい」と笑顔で語った。

期ごとに同級生が集まり、同窓会のような雰囲気となった祝祭の様子

中大阪地域商工会の高太一常任顧問(70)は、子どもたちをみな中大阪初中に通わせ、現在は、孫たちが同校で学んでいる。高顧問は、「私はウリハッキョに通うことが出来なかった。だから必ず、子どもたちだけはウリハッキョに通わせたかった。同胞たちの思いが詰まった学校を決してなくしてはいけない。これから関係者が団結して学校を盛り上げていかなければ」と語った。

この日、記念祝祭実行委員会の呉相哲委員長が、同校の70周年へ向けて連合同窓会を開くことを提起した。今回の65周年記念祝祭に向けて同校の保護者会、総聯、女性同盟支部、商工会、朝青、青商会の代表ら46人からなる実行委員会が9月に発足し、広告基金事業などを行いながら、準備を進めてきたが、それは5年後の70周年を見据えてのことだった。

呉委員長は、準備期間に尽力してくれた多くの関係者に謝意を表するとともに、「記念祝祭が5年後の70周年記念行事を目指す『学校を愛する運動』活性化の第一歩となるように準備を行ってきた。同校の17期同窓会が来月に開催される。このように各年代ごとに集まる大小の機会を設けながら連合同窓会に向けた連携を強めていきたいと思う」と抱負を語った。

(李炯辰)

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