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遺骨問題、日本人遺族らが墓参

2012年10月02日 17:25 主要ニュース 朝鮮半島

67年の歳月を経て合掌

【平壌発=周未來】第2次世界大戦の日本敗戦前後に朝鮮で死亡した日本人の遺族ら16人が1日、平壌の龍山墓地で墓参を行った。今回、墓参したのは遺族らを中心とする日本の民間団体「龍山墓地墓参団」のメンバーら。墓参は、日本敗戦から67年の時を経て実現された。

龍山墓地の遺骨は戦後、土地開発などの理由により移転された。一行は遺骨が最初に埋葬されていた場所で合掌を行った後、移転先の墓地に赴き墓標を立て水や菓子を供え、花をたむけた。

平壌の龍山墓地へ墓参りに訪れた日本の民間団体「龍山墓地墓参団」のメンバーら(朝鮮中央通信)

読経に続き、佐藤知也団長が御霊にことばを捧げた。

佐藤団長は1945年8月、旧満州や朝鮮北東部から戦禍を逃れて平壌に避難してきた多くの日本人が、劣悪な環境の中で命を落とした事実に触れ、「これが当時、国策として満州や朝鮮に渡航した日本人の悲惨な姿であった」と指摘。墓地に眠るすべての日本人が「戦争犠牲者だ」と述べ「このことを、わが国の偽政者にしっかり認識してほしい」と話した。また67年前、戦後の混乱の中でも日本人死亡者のために龍山墓地の一角を提供した朝鮮当局の措置に謝意を述べた。

この日遺族らは、それぞれが持参した家族写真などを片手に墓地の前に立ち、長年の月日を経て「再会」した思いを語った。

満州から平壌・龍山に渡り生活をしていた滝沢真紗子さん(82)は、15歳の時、それぞれ病と栄養失調により母と妹を亡くした。龍山を訪れ「当時の記憶が鮮明に思い出された。やっと来ることができた。ここにいる間はつらい思いでばかりだったから、墓参に訪れるか迷ったけれど、来てよかった。長年の間、心にひっかかっていたものがすっと取れたようだ」とのどを詰まらせた。

佐藤団長によると、龍山墓地に眠る日本人遺骨は、2400柱を越える。その中で現在名簿の確認が取れているのは20柱あまりだという。佐藤団長は今後について、「遺骨の早期帰還が実現されると共に、こうした墓参が継続されれば。また、この問題をより大勢の人々に広めていきたい」としながら、「今回の墓参訪問のために尽力し朝鮮政府に深く感謝している」と語った。

日本の民間団体が遺骨の調査、墓参のために訪朝するのは、先月の「清津会」に続き今回が2度目となる。

(朝鮮新報)

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