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サムスン躍進の影で

2012年10月17日 16:28 春・夏・秋・冬

南朝鮮のサムスン電子は5日、今年7~9月期の売上高が52兆ウォン(約3兆7千億円)、営業利益が8兆1千億ウォン(約5,700億円)前後だと発表。これは市場の予想を上回る数字だった。世界景気が後退する中、スマートフォンという新市場の成長を取り込んで好調を維持した春夏秋冬

▼南の金融情報会社エフエヌガイドによると、サムスン電子の今年の純利益推定値は22兆7千億ウォン(約1兆6千億円)で、南の株式時価総額上位「30大企業」の約34%を占める。現代自動車(14%)、起亜自動車(7%)を足した3社の合計では55%を占めるという。大企業と中小企業間だけでなく、大企業間でも「二極化」が進んでいるわけだ

▼ごく少数の企業にだけ頼るのはとても大きなリスクをはらんでいる。上位3社、とりわけサムスン電子に予期せぬ出来事があった場合、国の経済全体が麻痺してしまう。実際に95年、半導体の好況で8.9%という高い成長率を記録したが、翌年に半導体の価格が暴落し、通貨危機を迎えた

▼このようないびつな経済の背景には、歴代政権が実施してきた、労働者の権利を抑圧し、ごく一部の財閥に対する優遇策にある。とくに朴正熙政権時代の66∼75年は、企業支援投資の98.2%を財閥にあてた。そして、権力と財閥間の癒着が深まり不正腐敗が横行した。歪んだ経済政策を一掃し、経済の均衡を保つことができる制度改革が急務だ。(進)

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