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人民革命党事件

2012年10月09日 10:31 春・夏・秋・冬

南の報道では最近、人民革命党事件という単語をよく見かける。与党「セヌリ党」の朴槿恵大統領選候補の「謝罪会見」(9月24日)をきっかけに、数十年前の事件をめぐる論争が再燃している

春夏秋冬▼人民革命党事件とは、朴正煕元大統領が軍部独裁に反対する勢力を排除するため64年と74年にねつ造した事件で、75年4月8日に最高裁が8人に死刑を宣告。18時間後に執行された。世界史に際立つ残忍な政敵虐殺事件といえる。真相を明らかにさせようとする南朝鮮人民の絶え間ない闘争によって2005年、裁判所は同事件に対する再審を決定。07年に被告たちの無罪が確定した

▼ところが朴候補は9月10日、「同じ最高裁で相反する判決もあった」などと、事件を正当化するかのような発言をした。これは大きな波紋を呼び、遺族をはじめ各界の反発を招いた。朴候補はこれまでも、朴元大統領が61年にクーデターによって政権を奪取した6.16クーデターについて「不可避だった最善の選択」、維新体制については「歴史の評価に任せよう」などと、ねじれた歴史観を披露してきた

▼高い支持率を保ってきた朴候補だが、このような「失言」が響き支持率は急落。大統領選を控え、これに歯止めをかけようと「謝罪会見」に踏み切ったと見られている。執権のためならと、なりふり構わない朴候補。歴史の歯車を逆行させる言動を許してはならない。(進)

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