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〈第5回4.24カップ〉兵庫県青商会が主催、大会とともに成長する子どもたち

2012年10月23日 13:55 スポーツ

兵庫県下の朝鮮学校低学年児童たちが一堂に集い、サッカーとドッジボールを通じて絆を深める「第5回4.24カップ」(主催=兵庫県青商会、後援=兵庫ひまわり信用組合、西宮サッカー協会シニア委員会)が14日、西宮浜総合公園人工芝グラウンドで行われ、尼崎、伊丹、神戸、西神戸、西播の各朝鮮学校児童と学父母、青商会会員ら500余人が参加した。

参加者らは子どもたちの一生懸命な姿に惜しみない声援を送るとともに、子どもたちの成長する姿に感激していた。

今年も500人以上の参加者で賑わった4.24カップ

声援と笑いが溢れた会場

開会式であいさつした「4.24カップ」実行委員会の金載訓委員長(兵庫県青商会会長)は、児童らに、「ここにいる君たちは中、高級部にかけて、みんなが一緒に学ぶ友だちだ」と強調。朝鮮学生らしく朝鮮語を使いながら交流し、練習の成果をいかんなく発揮してほしいと語った。また、集った学父母らに対し、子どもたちの競技を楽しむとともに、久々に再会した同胞たちと交流を深めてほしいと呼びかけた。

今年は男子サッカーと女子ドッジボールの競技に、210余人の児童らが出場した。

学父母たちは子どもたちに、「がんばりやー!」「(シュートを)みんな止めるんやで!!」などと声援を送り、子どもたちもそれにガッツポーズで応えた。児童が得点すると飛び跳ねて喜ぶオモニたちの姿が所々で見られた。

一生懸命ボールを追いかける児童たち

サッカーのチャレンジリーグ(3年生主体)では西神戸が優勝、伊丹が準優勝した。ホープリーグ(1、2年生主体)では決勝で西神戸を下した神戸が優勝した。また、女子のドッジボールでは、昨年優勝した西神戸を下した神戸が優勝した。

表彰式では、各リーグでベスト3に入賞した学校にトロフィーと表彰状、記念メダルが贈られた。またサプライズプレゼントとして、優勝チームには、サッカーU-20女子W杯に出場した朝鮮選手たちのサイン入りサッカーボールとドッジボールが贈られた。参加した全学校にサッカーボール、ドッジボール、サッカーゴールが贈呈された。

子どもの成長した姿に感涙

例年よりもいっそう白熱した戦いとなったドッジボール。決勝では、神戸、西神戸両チームの学父母も選手たちと手をつないで入場し、選手たちを激励した。

3連覇に挑んだ西神戸は、決勝で最初のセットを神戸に奪われたものの、2セット目を辛くも勝ち取った。しかし、決勝までの得失点差により惜しくも優勝を逃した。

西神戸の児童たちは、悔しさのあまり涙を流した。オモニたちは、がんばった娘たちを力いっぱい抱きしめた。

西神戸初級オモニ会の金慶子副会長(39)は、4.24カップのために練習に励む子どもたちをずっと見守ってきた。「子どもたちが本気で悔しがってる姿を見て、思わず涙が出た。でも子どもたちにとっては、大会まで一生懸命努力し、試合で全力を出し切ったことが、今後のステップアップにつながる貴重な経験になったはず。この大会で子どもたちがまた大きく成長したことを嬉しく思う」と涙を拭いながら話した。

がんばった娘たちを抱きしめ、ともに涙するオモニたち

一方、神戸の児童たちは、同校オモニ会と教員たちの手作りのゼッケンとワッペンを着けて大会に臨んだ。

金咲那さん(3年)は「去年は4位だったから、今年は必ず良い成績を挙げようとみんなで一生懸命練習してきた。優勝できて本当に嬉しい。応援してくれたオモニ、アボジたちありがとう!」と語った。

練習の指導にもあたった神戸初中アボジ会の洪浩幸会長(47)は、「子どもたちが優勝して喜んでいる姿を見て、自分も嬉しくなった。次は男子がチャレンジリーグで優勝できるように支援していきたい」と語った。

アボジたちの奮闘光る

今年のチャレンジリーグでは、準優勝した伊丹の快進撃が光った。

オモニ会の金癸年さん(38)は「これまで1勝も出来なかった子どもたちが試合に勝てて嬉しい」と喜んだ。

伊丹初級では今年の4月から伊丹青商会や同校アボジたちが、毎週水曜日に夜間サッカー教室を行っている。子どもたちの実力が大会成績にも結果として表れ、オモニたちの喜びもひとしおだ。

会場のいたる場所で児童たちへの声援が響いていた

宋正愛さん(43)は「定期的なサッカー指導や大会運営など、青商会会員やアボジたちの地道な努力が子どもたちの成長を後押ししている。青商会とアボジたちに感謝する。青商会が主催するこの大会も5回目を数え、子どもたちの間でも4.24カップは『大事な大会』に位置付けられているようだ。息子も朝、布団から起き上がるなり、『あ!サイサ!(4.24)』と声をあげたほどだ。これからも大会が続いてくれることを願う」と述べた。

伊丹をはじめ、兵庫県下の青商会やアボジ会は、低学年児童を対象にしたサッカーの指導に力を入れている。その活動はコマチュック大会の成績などに徐々に反映されている。

実行委員会の徐聖昌事務局長は(42、伊丹青商会会長)、「初級部に上がるまで他の学校の児童と出会う機会が少ない子どもたちにとって、4.24カップは、『自分たちの仲間がこんなにもいっぱいいるのだ』と知る絶好の場になっている。また、コマチュック大会の成績が向上していることにより、4.24カップに寄せる関心や努力も増幅しているようだ」と手応えを掴んだ様子だった。

金載訓実行委員長は、「5回目を迎えていろいろな経験から青商会組織の団結力が高まり、運営もスムーズになった。また、回を重ねるごとにたくさんの人々が集まるようになり、大会に参加する児童、同胞たちの意識も高くなった。大変喜ばしいことだ。今後も子どもたちがよりよい環境でスポーツを楽めるよう、青商会の活動をがんばっていきたい」と話した。(李炯辰)

△成績

-男子サッカーチャレンジリーグ(3年生主体)

①西神戸、②伊丹

-男子サッカーホープリーグ(1,2年生主体)

①神戸、②西神戸

-女子ドッジボール

①神戸、②西神戸

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