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朝・日赤十字会談

2012年08月11日 07:55 春・夏・秋・冬

春夏秋冬北京で朝・日赤十字会談が行われた。戦中・戦後に朝鮮で死亡した日本人の遺骨収容や墓参の問題を話し合った。朝・日の赤十字社が会談を行うのは10年ぶりだ。

▼02年8月の会談では在朝日本人女性の故郷訪問を10月に実現させることで合意した。翌9月には朝・日首脳会談が行われ、平壌宣言が発表された。ところが日本は当時、人道問題に関する約束を一方的に反故にした。政府は拉致問題で強硬姿勢に転じ、赤十字社は何の説明もなしに故郷訪問事業の「延期」を決めた。

▼その後も平壌宣言の不履行状態は続き、朝・日間に横たわる人道上の問題は棚上げされたままだ。在日同胞の祖国往来の自由を奪う「マンギョンボン92」号の入港禁止措置など新たな人権侵害も起きた。今回の遺骨問題に関しても、日本国内には「拉致から目を逸らすための手段」、「経済支援を狙ったゆさぶり」などとレッテルを貼り政治問題化させて、実現を妨害しようとする勢力がいる。

▼朝鮮外務省の関係者は「朝・日関係が悪化した状況下でも人道問題を解決する努力を怠ってはならない」と語っていた。政治問題と切り離して進めるべき問題があるということだ。日本の内政は混乱を極め平壌宣言に基づく国交正常化交渉再開の目処も立っていない。それにも関わらず朝鮮は遺骨問題で誠意と度量を見せている。日本側も真摯な態度で臨むべきだ。(永)

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