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目指すは4年後のリオ、「姉妹で金」

2012年08月27日 10:33 スポーツ

五輪10代女子メダリストに力

ロンドン五輪で金メダル3つ、銅メダル1つの輝かしい成績を収めた朝鮮ウエイトリフティング選手陣。女子69kg級の金メダリストには、早くも「挑戦状」が出された。

若干19歳で、五輪ウエイトリフティング朝鮮女子初の金メダルを獲得したリム・ジョンシム選手の妹、ウンシムさん(16)。平壌東安中学校(6年生)で学びながら、姉と同じ機関車体育団に所属し、技術に磨きをかけている。姉の背中を追いかけ、4年後のブラジル・リオデジャネイロ五輪で、姉妹で世界の頂点に立つことを目指している。ウンシムさんの挑戦に、同体育団のスタッフ陣、選手たちも声援を送る。

リム・ウンシムさん

幼い頃は芸術分野に興味を持っていたという。伽倻琴に親しんでいた9歳の時、たまたま姉について行った青春通り青少年体育学校でウエイトリフティングと出会い、魅せられた。

芸術分野とはまったく異なる、スポーツの中でも「腕力勝負」(実際には足腰のバネとスピード、タイミングとバランスが重要な要素を占める)と思われがちなウエイトリフティングへの方向転換に、両親も驚きを隠せなかった。二番目の娘だけは、芸術人として育てたいというのが、両親のかねてからの願いだったという。

それでも、一度決心したら納得がいくまで一直線に突き進む性格の幼いウンシムさんは、毎日練習着を汗でぐっしょりと濡らしながら、技術向上に励んだ。彼女の目に映る最大のライバルは、常に姉だった。

その間、ウンシムさんは2008年に行われた第45回全国青少年選手権大会ウエイトリフティングの35kg級(少年級)で優勝、翌年の同大会38kg級では、スナッチで大会新記録を更新し、2年連続で制覇するなど、国内で専門家たちの注目を集めた。

ウンシムさんは、ロンドン五輪で姉が金メダルを獲得した知らせを聞き、両親とともに喜びの涙を流しながらも、4年後は、姉とともに自分も世界の頂点に立ってみせるという決意を胸にした。

 スカウトした「育ての親」

キム・チュンフィ監督

機関車体育団ウエイトリフティング部のキム・チュンフィ監督(36)は、リム選手の優勝により、国内関係者から一躍注目の人となった。キム監督こそが、リム選手をウエイトリフティング界に引き入れた張本人で、「育ての親」だからだ。

キム監督が同部女子監督に就任したのは2008年。彼女のモットーは、若手選手の基礎トレーニングこそがもっとも重要だということだ。選手個々人の能力と体質に合った科学的なトレーニング方法を研究し、バランスよく肉体を発達させ、瞬間的に最大の力を発揮できる技術を身につけさせている。

キム監督は、もともと陸上選手だったが、朝鮮体育大学時代にウエイトリフティングにコンバート。大学時代の全国大会では、常にトップの座を守り続けた。

卒業後、コーチとして選手育成に携わり始めた彼女が最初に着手したのは、前途有望な選手のスカウティングだった。そんな中で出会ったのが、リム選手だった。

「柔軟性とともに、筋力をバランスよく使いこなせる能力、飛びぬけて特異なスポーツ魂」(キム監督)をリム選手に見い起こすと、ウエイトリフティング界に引き入れた。

リム選手の優勝場面を思い起こすと、今でも熱いものがこみ上げる。喜びにあふれる涙を抑え、次なる五輪メダリスト育成のために、日々科学的なトレーニングに努力を傾ける。

(平壌支局)

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