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神戸ユニバーに近畿同胞ら、選手の背中押す声援

2012年08月21日 16:15 スポーツ

「祖国を身近に感じた」

「ピルスンチョソン(必勝朝鮮)」(タン、タン、タタン)

朝鮮代表のU-20女子W杯初戦(ノルウェー戦)が行われた20日、神戸ユニバー記念競技場のスタンドには、近畿地方の数多くの同胞らが集結しリズミカルに声をそろえ応援していた。

同胞応援団を取り仕切った朝青兵庫県本部の金大翔副委員長兼総務部長によると、この日は近畿地方の朝青、留学同、朝鮮歌舞団の活動家などを中心に400人の応援隊が構成された。朝鮮の楽曲など、吹奏楽で応援の雰囲気がいっそう高まるなか、同胞たちは民族楽器のクェングァリやプクのリズムに合わせて、選手の名前を順番に呼び、ピッチに声援を送り続けた。

朝鮮選手に熱烈な声援を送る同胞応援団

思い出の会場

この日試合が行われたユニバー記念競技場は、1985年夏の第13回ユニバーシアード大会のメイン会場として建てられたもので、会場名を耳にするだけで当時の朝鮮選手たちの活躍を思い出す同胞が少なくないという。

競技場の近くに住む総聯兵庫須磨垂水支部副委員長で板宿分会長の崔實さん(61)は、同大会で家の近所を走る朝鮮のマラソンランナーを間近で見たときを思い出しながら、「(今回の代表団の来日は)あのとき以来の興奮だ。今回、女子サッカーの選手団が来るということを支部で聞いて『応援に行かなくては』と気持ちが高ぶった。ぜひ優勝してもらいたい」と期待を込め語った。

姫路西地域から家族連れで来た盧晢烈さん(43)は、当時、神戸朝高空手部として学生中央大会に参加するため東京に向かうバスの中で朝鮮男子サッカー優勝の報を聞いたという。「年若い朝鮮の女子選手が異国の地でサッカーをする姿、同胞が声援を送る光景を見て、感動している。選手たちには勝ち負けに関係なく、がんばってもらいたいというのが本音だ」。

ひときわ大きな声で応援していたのは、尼崎西地域から来たという同胞女性たちだ。女性同盟尼崎西支部の李末淑委員長(61、非専従)によると、他地域と同様、同地域の女性同盟支部でも選手たちにキムチやキム(海苔)などを差し入れているという。李委員長は「選手たちが猛暑に苦しんでいないかが心配」だと顔を曇らせ、そのような「オモニの心情」を周囲の同胞女性がみんな抱いていると述べた。

李委員長の横で声援していた孫寿美顧問(78)は年に一度は親戚に会うため朝鮮を訪問している。選手たちの姿を眺めながら、「日本に来た朝鮮の選手たちを間近で見ると、孫のようにかわいい」と話していた。同地域に住むという女性同盟兵庫県本部の文美幸副委員長(56、非専従)も「祖国を身近に感じた。久しぶりに血が騒ぎ、力がわいた」と話した。

西神戸地域青商会の役員を務める金東成さん(38、大丸丸山分会長)と周一花さん(40)夫妻は5人の子ども、親類と共に観戦。周さんは、胸に朝鮮の国旗、背中に千里馬、左腕には優勝を目指してもらいたいという願いを込め「1」を刺繍した赤いTシャツを作り、子どもたちに着せた。

85年に朝鮮のバスケットボールチームを応援しに行ったという金東成さんは、当時を思い出しながら、「めったに見ることができない朝鮮選手の姿」を見た子どもたちが、代表選手を応援することで、「朝鮮学校に通って良かったということを感じてくれたらうれしい」と話していた。

(文-李東浩、写真-盧琴順)

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