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「遺骨には人権がある」

2012年08月15日 17:41 春・夏・秋・冬

祖国解放67周年を迎えた。日本が朝鮮を植民地支配したことによる様々な歴史問題、過去清算の問題、北南分断の問題まで、半世紀以上が過ぎた今でも、多くの問題が未解決のままだ。21世紀だけを切り取っても、問題は後退してしまっているのではないかと考えてしまう

春夏秋冬▼日本人と在日朝鮮人の連帯による朝鮮人強制連行真相調査団は結成40周年を迎えた。多くの被害者が亡くなり、遺族や証言者が高齢化し、調査は年々難しくなっている。各地で強制連行犠牲者の遺骨調査が行われたが、日本政府の消極的な対応と、「北か南か」「軍関連か民間か」の差別により、返還はおろか、調査も滞っている

▼駆け出しの記者の頃、調査団の日本人メンバーの言葉に感銘を受けた。「遺骨には人権があり尊厳がある」。ある同胞の案内で福岡・筑豊の墓地に行って衝撃を受けた。「君が立っている足元には同胞が埋まっている」。ぬかるみに足を取られないよう踏み台にした石は、炭鉱で亡くなった同胞の墓標代わりに置かれたボタ石だった。すぐそばには住民のペットの立派な墓が。あまりの落差に言葉を失った

▼先日、朝・日赤十字会談が開かれ、朝鮮残留日本人の遺骨問題について話し合われた。「遺骨には人権がある」。優先順位などあってはならない。「すべての遺骨問題」が政治の駆け引きに悪用されず、速やかに解決へと向かうことを願ってやまない。(天)

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