「ツーショット」のメッセージ

金正恩第一委員長に付き添っていた夫人の名前を朝鮮メディアが明らかにした。平壌・綾羅人民遊園地の竣工式に出席した第一委員長と李雪主夫人は園内の施設を見て回り、式典に参加した各国大使館の代表らとあいさつを交わした。

▼遊園地で行われた「ファースト・レディー」のお披露目は華やかな雰囲気に包まれた。世界のメディアが伝えた「ツーショット」は明確な意図に基づき準備されたものだ。第一委員長の政治スタイルは迅速、かつ公開性のプロセスを重視するという特徴がある。4月には人工衛星発射場が海外の記者に公開された。

▼隠さず明らかにするということは自信の表れだ。金正恩時代の朝鮮は、世界に目を向け、すべての分野で最先端を目指すと公言している。若きリーダーは国際社会の趨勢を踏まえた上で、朝鮮の姿をありのままに堂々とアピールしようとしている。「孤立した国」、「閉ざされた社会」のレッテルを張り、朝鮮を誹謗中傷した外国メディアも「思考の転換」を余儀なくされる事態だ。

▼これまでの慣習にとらわれないリーダーの行動は、国内の人民にとっても新鮮な驚きだ。遊園地を訪れた第一委員長は夫人と腕を組み歩いた。野外プールで遊ぶ子どもたちに手を振った。親近感に満ちた夫妻の「ツーショット」は、豊かで幸福な生活をもたらすという朝鮮労働党の公約を裏付けるメッセージになっていた。（永）