公式アカウント

〈取材ノート〉青商会のひたむきさ

2012年07月18日 13:37 コラム

青商会関連の取材に行くことを楽しみにしている。彼らの主催する行事は常に笑い声で溢れているからだ。大の大人が冗談を飛ばし合いながら、思い切りはしゃぐ。勝負ごととなれば、どんな些細なゲームでも本気で勝ち負けにこだわる。

取材ノートそんな彼らの姿を見ながら記者もこれまで取材中に何度笑い転げたかわからない。

何より地域同胞社会や学校について本気で悩み、方法を模索し、苦境を打ち破ろうと懸命に取り組んでいる。「体面を気にしたり、口先だけの約束はしない」。そんな姿勢に好感が持てる。

先日、滋賀県青商会の総会を取材した。和やかな雰囲気の中で行われた2部の宴会では、北海道から九州まで会場に駆けつけた多くの会員たちが県青商会の門出に激励の言葉を送った。

そこで印象的な一幕があった。ある地方青商会会長は壇上に立つと同時に言葉を詰まらせた。滋賀初級1年生の教室にある2つの机を見て休校になった地元の学校を思い出したという。彼は「それでも滋賀にはこんなに立派な学校があるじゃないですか。僕らはなくしてしまったんです。何があっても絶対にこの学校を守ってください」と訴えた。

今は県外の朝鮮学校に子どもを通わせながら、学校再開に向けて活動しているという。「いま自分たちが立ち上がらなければ、学校が本当になくなってしまう」。そんな思いが痛いほど伝わってきた。

同時に、私たち20代が今後30、40代になった時、学校や地域同胞社会を思い、本気で泣き笑いできる者がどれだけいるだろうかと考えた。青商会の取り組みや姿勢から学ぶものの大きさは図り知れない。(周)

Facebook にシェア
LINEで送る