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〈投稿〉「66」伝わる心、つなぐ心

2012年06月22日 11:15 民族教育

ピアノを被災地の朝鮮学校に贈って

平壌から届く「朝鮮少年団創立66周年祝賀行事」のニュース映像に、心を温められている同胞は少なくないはずだ。そこには朝鮮半島北半部津々浦々から2万人余りの少年団員が招かれた。動物園や植物園、遊園地にサーカスと初めてづくしの体験にみな大興奮であった。いかにも田舎育ちの純朴そうな少年少女の表情がそこにはあった。

盛り上がった東京第3初級学校の運動会

先日パリで旋風を巻き起こしたウナス(銀河水)交響楽団のコンサートも開かれた。演目中盤に「祖国の愛は温かい」が上演された。

大型スクリーンに投影された朝鮮大学校竣工式や金日成主席と腕を組む在日朝鮮学生の映像は、会場を埋め尽くしたつぶらな4万の瞳に刻まれた。金日成主席と金正日総書記から伝えられた心が、金正恩第1委員長時代にも在日同胞の心につながったと誰もが感じたはずだ。

時同じく、6月3日の土曜日、東京でも「66」に関する一大イベントが開催された。

晴天に恵まれる中、東京朝鮮第3初級学校第66回運動会が行われた。今年の運動会は土曜日開催にも関わらず、多くの学父母と同胞でにぎわった。

運動会は新たな時代を象徴するかのごとく、近年マンネリ化していた競技種目が一新され、例年に増す盛り上がりを見せた。

孫らの目を見張る活躍ぶりに思わず歓声をあげるハラボジ、ハルモニたち、まだ一年生の子どもが転んで泣きはしないかと心配顔のオモニ、競技そっちのけでビールを酌み交わすアボジたち、その姿はさまざまだが66年間伝えられてきたウリハッキョを愛する心は変わらない。

いつもの運動会と違ったことが一つ。受付に毎年ある「学校サラン(愛校)」の募金箱の他にもう一つ募金箱が大きな口をあけていた。「一口100円、上限なし」と書かれてあった。

(今年はしたたかに攻めてきたな…)と思いつつよく見ると、「ピアノ送料募金箱」と書かれていた。話を聞いてみるとそこには素敵な話が隠されていた。

あるニューカマーの同胞が、引越しを機に売るつもりでいたピアノをぜひ学校に寄贈させてほしいと申し出たという。この同胞は縁があって東京朝鮮第9朝鮮学校を見学した際に大きな感銘を受けたそうだ。早速、東日本大地震で被害を受けた朝鮮学校に問い合わせてみたら、茨城朝鮮初中高級学校が名乗りを上げた。しかし送料の捻出がネックとなった。寄贈してくれる人に送料まで負担してもらうわけにはいかなかったという。この話を耳にした安正恵練馬女性同盟委員長をはじめとする役員たちからすぐ募金のアイデアが出た。こうして今年の運動会には二つの募金箱が並ぶ運びになったのだ。

一人で100口出す人、売店で飲料を買うたびに千円札を出して釣銭を募金箱に入れていく人、「茨城朝高のOBなんです、ありがとうございます」と言いながら募金してくれた女性、運動会の盛り上がりと共に募金箱も重くなっていった。

こうして東京第九初級学校での出来事は、練馬地域の同胞トンネを介して東京第三初級学校に伝わり、茨城初中高への贈り物となった。まさしく同胞の子どもたちを思う心が伝わりつながったのだ。

茨城初中高と言えば、毎年行われる学生芸術コンクールでコーラス部門上位入賞の常連校でもある。今年のコンクールで、同校コーラス部の金賞受賞を願って止まない。(成)

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