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〈取材ノート〉統一時代

2012年06月18日 10:33 コラム

2000年以降、6月15日を迎えると、頭に浮かぶ光景がいくつもある。00年6月、金正日総書記と金大中大統領が抱擁し合ったシーン、先輩記者が必ず一度は取材するようにと口をそろえる北南離散家族の再会、そして06年5月、総聯議長と民団団長による共同声明発表など。

取材ノートそのなかでもとりわけ、03年6月に東京朝鮮文化会館で行われた金剛山歌劇団とユン・ドヒョン・バンドによる6.15共同宣言発表3周年記念特別公演が目に焼きついている。

20代前半だった記者はあの場で「統一時代の到来」を実感した。南から来た歌手に声援を送る同胞青年たちの姿が新鮮だったが、われを忘れて興奮した自分自身にも驚いた。統一が実現したら一体どうなるのだろうかと期待に胸を躍らせたが、あれから何年も経った。

今年も6月15日を迎えた。過去の思い出がよみがえる。一方、ユン・ドヒョン・バンドの公演のように、10代、20代の若者が統一を身近に感じられる機会が減ってしまったことを憂う。祖国統一について考える「きっかけ」があることは、異国の地に住む同胞青年たちにとってとても重要なことなのに。

主席生誕100周年を迎えた今年、祖国統一の機運を高めるきっかけを新たに作っていきたい。新時代を生きる同胞青年たちとともに何が必要で、何ができるのかを考えたい。

22日、南のアーティストたちが東日本大震災で被災した朝鮮学校を支援するコンサートを開く。民族同士が手を取り合うその輪を見守っていこう。(東)

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