
有島武郎さんと息子たち
有島武郎(1878~1923)に出会ったのは、高校1年生の頃、教科書に収録されていた「小さき者へ」(1918)だった。病で母親を亡くした3人の幼い子どもたちに向けて書かれた作品である。厳粛な文体が、高校生活を無為無気力に送っていた当時の筆者の心の中に強い印象を焼き付けた。作品は、単なる父親の情愛だけではない、有島自身の人格的な弱さに対する率直な吐露が滔々となされており、筆者も自分の父親へのまなざしに人生の複雑な屈曲を与えられた。「何故二人の肉慾の結果を天からの賜物のように思わねばならぬのか」という父親のエゴの告白は、両親への思いに消えない一点の墨痕を残した。自分の存在も「肉慾の結果」なのかと、思春期ただ中の苦悩を味わわされた。
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