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〈人物で見る朝鮮科学史 74〉実学の時代(5)

2008年12月19日 00:00 歴史

正確な朝鮮地図の製作、金正浩

「大東興地図」

「大東興地図」

3年に渡る連載も今回が最後となった。最後に登場するのは「大東輿地図」の製作者金正浩である。「大東輿地図」は近代以前のもっとも正確な朝鮮地図として知られ、全国を南北に22に分けて東西を横に折り込むようになっている。すべてをつなぐと20畳ほどの大きさになり、全国が見渡せる。江戸時代のもっとも正確な日本地図として知られる「大日本沿海輿地全図」を作成した伊能忠敬は16年の歳月、ざっと3万5千キロ、歩数にして約4千万歩を歩いたという。伊能忠敬には「幕府御用」という看板があり供の者も多かったが、金正浩の場合は、ほとんど一人である。想像を絶する苦労があったに違いない。どこにそんなお金があったのだろうか? その間、彼の妻や子はどのように暮らしたのだろうか? 地図を作ってどうするつもりだったのだろうか? このような素朴な疑問もわくが、実は金正浩の生涯は謎につつまれ、それに答えることは難しい。

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