日本現代詩において短歌的叙情を否定し、批評としてのリズムの可能性を主張した詩人として知られる小野十三郎は、大阪に定住して詩集「大阪」(39年)と「風景詩抄」(43年)をもって硬質な独自の詩風を開拓した。彼は戦争中に、徴用工として大阪の造船所で苦役を強いられていた朝鮮人と交わり「自然と非常な親愛感を持つに至った」。
十三郎が朝鮮に関する詩を意識的に書いたのは右のような事情による。75年に立風書房から出た800ページ以上の「定本小野十三郎全詩集」には26年から74年にかけて書かれたほとんどすべての詩が収められている。そのなかに私の選別では、朝鮮関係のものが35篇ある。
とくにすぐれているのは「惜別」と題する作品である。これは、12篇を一つのテーマでまとめた連作詩であり、日本人の朝鮮にかかわるそのかかわり方の精神的構造を凝縮している。その35篇のうち、朝鮮戦争を題材にした作品が15篇もある。浜田知章にも同じような詩があるが、この2人は、私の知るかぎりでは、朝鮮戦争におけるアメリカ帝国主義の侵略的本質を容赦なく告発した詩人として双璧をなしている。
つぎの詩はやや難解であるが、平壌被爆の悲惨をヴィヴィッドにえぐりだしている。
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