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〈人物で見る朝鮮科学史 18〉渡来人とキトラ古墳(番外)

2006年09月08日 00:00 歴史

記述に現れる朝鮮への蔑視

高松塚古墳の4人の女子像(奈良県明日香村)

高松塚古墳の4人の女子像(奈良県明日香村)

古代史の研究が深まる以前まで、中国の大陸文化が朝鮮半島を経緯して伝来したといわれることが多かった。朝鮮を単なる通過点として扱い、その影響を無視しようとする根底には朝鮮への蔑視がある。それは、現在も完全に払拭されたわけではない。例えば、高松塚古墳に関しても総合的に見て高句麗壁画古墳の影響が圧倒的にもかかわらず、女性の服装の細部を取上げて中国の影響を云々するという具合である。キトラ古墳についても、「白虎の頭が北を向いているのはキトラ古墳しかなく謎の一つ」とパンフレットなどで紹介されているが、すでに、在日朝鮮歴史考古学協会会長である全浩天先生がその著書や論稿で、高句麗壁画にもそのような例があると強調しているにもかかわらずいまだ是正されていない。キトラ天文図も、当初は一部の星座の違いから中国、朝鮮とも異なるのではといわれたが、観測地点の特定から高句麗から伝来した原図によるものと結論付けられた経緯がある。

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