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〈朝鮮歴史民俗の旅〉酒と酒道(2)

2004年02月09日 00:00 歴史

朝鮮を代表する酒は3種類。マッコルリ、清酒、焼酎である。この3種類のうち最も飲まれたのがマッコルリである。国王から民百姓にいたるまで、地位や階層にかかわらず広く飲まれてきた。オリジナルの民族酒といって間違いあるまい。

マッコリは発酵酒である。米や麦などの穀類を蒸して冷まし、それに麹を混ぜて適度の温度で数日間寝かせて発酵させたものである。どろどろと濁ったところから「濁酒」とも呼ばれているが、アルコールの度数は低く、さわやかで口あたりもよく、きわめて酔い心地のいい「清涼飲料酒」である。

この酒がいつ頃から飲まれたのかは定かではないが、およその検討はつく。高句麗の建国神話に酒の話が載っている。天帝の子・解慕漱が、川辺で水遊びをしていた水の神の娘・柳花を酒で誘惑しておびきだし、自分の妻に娶ったという話である。この民族の開闢史の1ページ目が酒の話。酒で女性を誘惑して妻に娶るとは尋常ではないが、この誘惑に使われた酒こそマッコリの元祖であったものと思われる。その確かな根拠は古い文献にある。

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