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〈高麗人参余話 12〉日本に渡った贈品

2003年09月04日 00:00 文化・歴史

地理的に近い朝鮮と日本の交流は2000年前に遡り、神秘の霊薬人蔘が日本に渡ったのもその頃と推察される。記録に残るものでは天平11年(739年)に渤海の文王が国書と共に人蔘30斤を聖武天皇に贈ったのが最初である。「続日本紀」には渤海国使は神亀4年(727年)以来、聖武天皇が没した天平勝宝8年(756年)までに3回来日している。また、遣渤海使は2回派遣されているので少なくとも100斤をはるかに超える渤海産の人蔘が日本へ渡ったとされる。その後、朝鮮半島からは、ほぼ継続して日本に高麗人蔘を送り続けていたと見られる。足利時代、室町幕府にやってくる朝鮮の使節団は高麗人蔘を「国交贈品」として持ち来り、日本は「国交回礼品」として銀やさまざまなもので報いた。古代から日本とウリナラの国々とが緊密な関係にあったことは近年、天皇陵などの調査が進み史実として明らかにされつつある。

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