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〈「有事」の狙い―識者と考える(4)〉斎藤泰彦さんと安重根

ごう慢で冷静さ欠く朝鮮報道

朝鮮併合前の1909年10月26日、ハルピン駅頭で日本の初代首相伊藤博文が射殺された。独立運動家・安重根によってなされたこの一撃は、亡国の苦しみにあえぐ朝鮮民族の気概を世にとどろかせ、侵略者を震えあがらせた。

安は5カ月後に処刑されるのだが、直前まで〝獄中の身〟をいたわったのが、当時24歳の憲兵千葉十七であった。

「むろん初めは刺客ぐらいにしか思っていなかった。ところが、安重根の法廷での堂々たる日本統治批判、祖国のために一身を投げうった清廉なふるまいに接し、千葉は心から敬服し、引きつけられていったのです」

この2人の運命的な出会いをヨコ糸に、朝鮮への貪欲な植民地支配を強めようとする日本の動きをタテ糸に据えて書き上げたのが、「わが心の安重根―千葉十七・合掌の生涯」(五月書房刊)である。

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